
新居への引越しは楽しみなこともありますが、気になるポイントもたくさんあるはず。
中でも引越しに関わる挨拶については何かと悩むことも多いですよね。
昔は当たり前のように行われてきた「引越しの挨拶」ですが、最近では近所付き合いが希薄でむしろ避けるような風潮があるだけに、どうすればいいのか迷いがち。
けれど、引越しのときに挨拶をしておくと、のちのち役に立つこともあるんです。
今回は引越しの挨拶のメリットをはじめ、具体的なやり方やマナー、さらに自分が挨拶を受けた場合の対応などについても幅広くご紹介します。
今回は特に一人暮らしや新婚さんに多い「アパートの引越し」に関わる挨拶をテーマに見ていきましょう。ぜひ参考にしてみてください。
【引越しの挨拶に隠されたメリットとは】
[防犯には「近所の目」]
引越しの挨拶をしない理由には、「周りにどんな人が住んでいるかわからないから、安易に関係を築くのが怖い」といった防犯的なものがあるはずです。確かに自分の家の安全を確保するという意味では、まったくの間違いではありません。ですが、防犯のためにはむしろ近所の人の目に頼ることも大切なのです。例えば引越しの挨拶で顔見知りになっておけば、自分の部屋やアパート周辺で何か起こったときなどにいち早く情報を得られたり、常日頃から気にかけてもらうことで空き巣などの犯罪を未然に防げたりといった防犯上のメリットがあります。自己防衛はもちろん必要ですが、昔ながらの「人の目」も防犯にはとても役に立ちます。
[災害の時に]
災害大国とも言われる日本。そんな国に暮らしているからこそ、いざというときの備えは欠かせないものです。震災以降そういった防災意識は全国的に高まっており、自宅に持ち出し袋などを用意している方もいるのではないでしょうか。もちろん自分で物資を準備するのも大切ですが、忘れてはいけないのが隣近所の人たちとの連携や繋がり。それはもちろん物資を融通し合うことが出来るという意味でもありますが、いざ災害が起こったときにすぐ身近に顔見知りがいることで、支え合って精神を保つこともできます。そのためにはやはりある程度の関係を築いておく必要があり、そのチャンスとして最適なのが「引越しの挨拶」なのです。
[生活音などのトラブル防止]
近年の集合住宅における住民同士のトラブルの代表格が、騒音をはじめとした生活音の問題です。そこに人が暮らしている以上は、ある程度仕方がないことではありますが、その発生源が知っている人か全く知らない人かでは、おのずと感じるストレスも変わってきます。うるさいなと感じたときも、知らない人の家に言いに行くよりも、顔を知っている人のほうがスムーズにいくはず。また、例えば楽器を持っていたり、子どもがいる家では、引越しの挨拶のときにその旨を隣近所に伝えておけば、生活音によるトラブルを未然に防げたり、解決をしやすくもなります。
【引越しの挨拶の方法とマナー】
引越しの挨拶のメリットをご紹介しましたが、やはり気になるのは「どう挨拶をすればいいのか」。次は挨拶をするときの方法やマナーなど、知っておいたほうがいい情報をご紹介します。
[どの範囲まで挨拶をするべきか]
●大家さん・管理人さん
大家さんや管理人さんとやり取りが出来る場合は、忘れずに挨拶に行くといいでしょう。可能なら引越し前(物件が決まったタイミング)と引越し後の2回が理想です。礼儀としての側面もありますが、物件周辺の様子やその物件の決まりごとなどを教えてもらうという意味もあります。ただ、大家さん・管理人さんのほうから挨拶が不要だと言われている場合は無理に行く必要はありません。
世帯数が6~8戸程度の場合
建物内の挨拶は、両隣と上下の部屋に行くのが一般的です。どちら壁・天井・床越しに生活音などが発生するというからという理由もあります。ただ、両隣と上下というのはあくまで最低限であり、あなたが引越す物件の世帯数(部屋数)が6~8戸程度なら、全世帯に挨拶をしておくのが理想的です。
大きな建物の場合
世帯数が9戸以上の物件や、大きなマンションなどに引越す場合は、さすがにすべてのお宅に挨拶に行くのは難しいかと思います。その場合は、先ほどの両隣・上下に加えて、日常的に顔を合わせる可能性がある同じフロアのお宅にも挨拶をしておくといいでしょう。
[引越しの挨拶はいつ行くべき?]
引越し前
引越し前の挨拶には、入居を知らせる意外にも「これから引越しの作業でご迷惑をおかけします」というメッセージを伝える意味もあります。確かに最低限のマナーを考えるのなら、引越し後の挨拶だけでも構いませんが、引越し前にも挨拶をしておくことでより丁寧な印象を与えることが出来るはずです。
引越し後
引越し後の挨拶は、これまでのポイントを踏まえながらしっかりと行っておきましょう。その際のポイントについては、このあと詳しくご紹介します。
[挨拶に粗品は必要か]
「挨拶に手ぶらで行くのも…」と考える人も多いはずです。もちろん挨拶に行くことが重要なのですから、粗品は絶対になくてはならないというものではありません。ただ、やはり何かしらを持っていったほうが気持ちが伝わりやすいのも事実。問題はどの程度のものを持っていくか、です。
以下は大体の目安です。
- ◯ご近所:500円~1,500円程度
- ◯大家さん・管理人さん:1,000円~3,000円程度
あまり高額なものを持っていく必要はありません。具体的な品物も、この価格帯を目安に考えてみると良いでしょう。
[挨拶では「何を」伝えるべきか]
自分について
挨拶で一番重要なのが、自分が「どこに」引越してきた「誰」であるかを伝えることです。ただしプライバシーの問題もあるので、必ずしも自分の生活に立ち入った情報までを明かす必要はなく、あくまでも自分が「◯◯号室の△△」であることが相手に伝われば大丈夫です。
生活音のこと
小さな子どもがいたり、仕事の関係などで生活の時間が不規則な場合は、生活音などで迷惑をかけるかもしれないということを先に言っておきましょう。トラブルの防止にも役に立ちます。
[相手が不在だった場合は]
挨拶に行っても相手が不在だった場合は、簡単な挨拶状をポストに、粗品がある場合はそれをドアノブに掛けるなどして、自分が挨拶に来たことがわかるようにしておくといいでしょう。
【挨拶を控えたほうがいい場合がある?】
ここまではアパートに引越してきたときに挨拶に行く前提で話を進めてきましたが、逆に挨拶を控えておいたほうがいいケースもあります。例えば個人情報保護や物件の管理上の理由で、各部屋に表札を出していない物件や、大家さんや管理人さんが近所への挨拶はしなくても良いと行ってくれた場合などです。
【自分が挨拶をされたら、お返しをしたほうがいいのか?】
引越しの挨拶には、自己紹介はもちろん、引越し作業などに対するお詫びの意味も含まれています。したがってその挨拶にお返しをすることは、お詫びにお返しをすることになり、挨拶の意味がなくなっていまします。自分が挨拶を受けた場合はその場で「こちらこそよろしくお願いします」と挨拶を返すだけで問題ありません。
【引越しの挨拶で良好なご近所付き合いを】
近所付き合いが希薄だと言われる現代だからこそ、しっかり理解しておきたい引越しの挨拶。一番大切なのは、やはり気持ちを伝えることであり、いざというときのための関係を築くことです。ただ礼儀は必須ですが、相手はあくまで「ご近所さん」であることを忘れずに、相手に明かす情報と明かさない情報を分けて考えることが大切です。そういった距離感を測るという意味でも、引越しの挨拶にはぜひ行っておきたいですね。
次にこちらの引越し挨拶に関するこちらの記事もどうぞ
【人気記事】引越し料金を59%オフにした方法
