
人生において誰しも1−2回程度は経験すると言われている引越しですが、業者やプランによって値段は様々。
そして多くの引越し業者が扱っており、最近では利用者も増えているこの「単身パック」とは一体どんなプランなのでしょうか?
そもそも単身パックってなに?
引越し単身パックとは、決められたサイズのコンテナボックスで荷物を輸送する引越しサービスの事を指します。
単身者をターゲットとした格安の引越しプランと言えば分かりやすいでしょうか。
業者毎にボックスなどの大きさやサービス、オプションなどは異なりますが、目安として、高さ170cm×横幅100cm×奥行き100cm程度のボックスを想像して頂ければイメージが湧きやすいはずです。
単身パックと単身プランは同じサービス?
結論からいうと、全く異なったサービスになります。
先程ご説明したように、「決められたサイズのコンテナボックスで荷物を輸送する引越しサービス」これが単身パックなのに対し、「単身パックのコンテナボックスに荷物が収まらない人向けのサービスで、荷物の量に適した車両をチャーターし荷物を運送するプラン」が単身プランになります。
簡単にいうと、荷物を
- 指定されたボックス内に積み込む → 単身パック
- 車両1台全部に積み込む → 単身プラン
ご理解頂けたと思いますが、似ているようで全く異なったプランですので、選ぶ際は間違えないようにしましょう。
1ボックスに詰める荷物量の目安
下記はヤマトの単身引っ越しサービス1BOXに積み込める荷物の目安です。料金は12000円〜となっています。
ヤマトホームコンビニエンスの場合
- 冷蔵庫(2ドア)
- 全自動洗濯機(4KG)
- 電子レンジ
- 段ボール箱約10箱
- 布団袋1袋
- スーツケース1個
※BOXの内寸:1.04m×1.04m×1.70m=1.83m3
名前が単身パックという事だけあり、本当に最低限の荷物を運ぶボックスといった印象を受けます。
上記はヤマトのサービスの目安ですが、日通にも単身パックSサイズ、Lサイズ、Xサイズという3つのサービスが用意されています。
日通、単身パックSサイズの場合
- 冷蔵庫(2ドア・109リットル)
- 薄型テレビ(20インチ)
- テレビ台(小)
- 電子レンジ
- 掃除機
- カラーボックス(3段)
- 姿見
- 布団
- 日通ダンボールMサイズ4個
多少の物なら、積み方の工夫や、隙間といった部分に納めれそうですが、ソファーやテーブル、テレビといった大きい物は積み込めない事がわかります。
万が一積み込めない場合、ヤマトなら、らくらく家財宅急便、日通なら、コンテナをもう一つ追加といったサービスを利用するとよいでしょう。
引越し単身パックのメリット
訪問見積もりの必要がない
単身パックの場合、コンテナボックスのサイズで料金が定められているため、訪問見積もりといった面倒な工程をする必要はありません。
引越しを経験された方の多くが体験している、この訪問見積もりですが、業者が訪問するのには理由があります。
- トラックが通れる道かを把握する
- お客様に引越し当日までにすべき事を伝える
- お客様の積み込む荷物の把握
- 引越し料金を伝える
そして、訪問見積もりの一番のメリットは荷造りしていなくとも、必要な段ボールの数、トラックの大きさ、全体でかかる費用など、その場で提示してくれる事です。
一見とても便利で有り難いサービスではありますが、訪問してもらう日時などを調整し、業者を招き入れ、というとても面倒な作業をする必要があります。
ですが、単身パックの場合、指定されたボックス内に荷物が収まっていれば大丈夫なので、このような手間をかける必要がありません。ネットや問い合わせでコンテナボックスのサイズを確認し、後は積み込む荷物をまとめておく。ただそれだけなのです。
お忙しい方や、部屋にわざわざ招き入れたくない方、面倒な工程を踏みたくない方には、大変おすすめといえるでしょう。
単身パックは物凄く安い
何より単身パックの魅力は、驚くべき料金の安さです。
まず初めに、単身パックを利用せず、家族で引越しをした場合の値段から説明していきます。
「家族引越し(3人以上)だと数十万は考えておくべき」などとよく耳にしますが、数十万と言われてもあまりピンとこないですよね。
10万なのか20万なのか30万なのかによって、行動や計画が変わってくるでしょう。引越し侍さんの引越し見積もりシミュレーションを利用すれば、あくまで目安ではありますが、おおまかな引越し金額を出す事ができます。
家族3人以上、札幌⇄東京間での引越しを想定して300km以内(遠距離地方) で通常期の場合
平均:116.000円
最安値:76.000円〜
最高値:280.000円
これは、通常期の値段です。
では次に引越しが頻繁に行われる3〜4月、繁忙期の値段を見てみましょう。(世帯数、距離は上記と同じ)
平均:223.000円
最安値:76.000円〜
最高値:500.000円
通常期と繁忙期、二つの時期を見比べてみると、107.000円も差がある事が分かります。そして時期を省いた料金の平均は、169.500円。
家族3人以上、札幌⇄東京間(300km以内)での家族引越しならば、平均17万円程度かかると言えるでしょう。
それでは本題に入ります。
上記のような家族引越しの場合、平均で約17万円もかかってしまうのに対し、単身パックを利用する事で格段に引越し料金を抑える事が出来ます。
では、どの程度抑える事ができるのでしょうか?
当管理人が東京⇄札幌間での引越しを想定してヤマトと日通二つの業者の単身パック料金を調べてみました。
ヤマトホームコンビニエンスの単身引越しサービスの場合
- 冷蔵庫(2ドア)
- 全自動洗濯機(4KG)
- 電子レンジ
- 段ボール箱大5箱
- 段ボール箱小5箱
- 布団袋1袋
積み込める量はかなり少ない印象ですが、遠距離にも関わらず、わずか42000円という結果になりました。
次に、日通の単身パック料金です。日通の単身パックにはS、L、Xとサイズが設けられており、サイズが上がるにつれ、積み込める量が増え、値段が高くなるシステムになっています。
日通、単身パックXの場合
- 冷蔵庫(2ドア・109リットル)
- 洗濯機(4キログラム)
- 薄型テレビ(20インチ)
- テレビ台(小)
- 電子レンジ
- 掃除機
- カラーボックス(3段)
- 衣装ケース(39cm×53cm×23cm)
- 姿見
- 布団
- 日通ダンボールMサイズ
上記の単身パックLサイズに加え、
- 自転車
- 大型家具(ベッド・ソファ)
なども追加され、75500円という結果に。あくまで、目安ではありますが、これだけの物が運べて、わずか75500円しかかからないのですから、単身パックがどれだけ優秀なのか理解できるはずです。
このように、家族引越しの場合、平均で約17万円もかかってしまいますが、多少荷物を減らし、単身パックを利用することで、約10万以上も少ない金額で引越す事が出来るのです。何故ここまで料金を抑えれるのかというと、荷物を運ぶためのスタッフが少なく済み、運搬トラックも小型で済むためです。つまり、業者の手間、リスク、コストが格段にかからないため、このような低価格で引越しをする事が可能となっているのです。
新居に不必要な物を持ち込まずに済む
新しい地と家で生活をスタートさせるにあたり、不必要な物を多く持ち込む事はあまり良い事とは言えません。
不必要な物を無駄に持ち込む事によって、引越し後の整理整頓が大変になり、それが疲労へ繋がります。さらに荷物が増えると、場合によっては荷物の量に応じて、単身パックが利用できず、料金が高くなってしまう可能性もあります。
このように引越しでは無駄な物はなるべく処分し、必要最低限の物だけ積み込む事で、料金、疲労、整頓整理、といった部分を考えずに済むのです。
引越し単身パックのデメリット
荷物量が制限されている
荷物が制限されているという事はメリットばかりではありません。
例えば先程ご説明した、ヤマトホームコンビニエンスの単身引越しサービスを利用した場合、
- 冷蔵庫(2ドア)
- 全自動洗濯機(4KG)
- 電子レンジ
- 段ボール箱大5箱
- 段ボール箱小5箱
- 布団袋1袋
1BOXこの料金というシステムですので、上記の物程度しか積み込めません。この際、物が多い方には問題点が生じます。
ベッドは?机は?テレビは?カラーボックスは?といった問題です。
このように、絶対に必要で運びたい物が、もしコンテナボックスへ詰めなかった場合、他の方法で送るか、追加で依頼する必要があります。
ヤマトの場合なら「らくらく家財宅急便」日通の場合なら「コンテナボックスの追加、もしくはパックサイズを上げる」といった方法です。
上記のような補うサービスは確かに存在しますが、料金を追加で払わなければいけないので、結果的に割高になってしまうケースなども考えられます。
逆にコンテナボックスが隙間だらけの場合、単身パックではなく、宅配便のような形で送った方が料金を抑えられる事もあるので、依頼する前に、コンテナボックスのサイズと運ぶ荷物を確かめておく事が大切です。
大きい荷物が運べない
ソファやベッド、机、大きい棚といったコンテナボックスに収まらない物は積み込めません。
上記でも説明しているようにボックスのサイズがすでに決まっているので、そこに収まる物でないといけないのです。
大きい物を所有していない、または、運ばない人は特に問題ないですが、そうでない場合、別途で荷物を依頼するか、捨てるかのどちらかになってしまいます。単身パックは、洗濯機や冷蔵庫以外の大きい物を運ばない事が前提となっているサービスプランですので、利用する際は注意が必要です。
もし、どうしても運びたいという場合は、単身プランではない方が安くなる可能性が高いので、業者に一度問い合わせてみるか、他のプランへ変更しましょう。
値下げ交渉ができない
最後に値下げ交渉ですが、単身パックの場合、確実にできません。
一つのコンテナボックス=この料金というシステムですので、どれだけ物が少なかろうと値下げは出来ないということは頭にいれておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これまでの説明において言えることは、単身パックは荷物が少ない人向けのサービスであるという事です。
必要最低限の物だけ積み込み、積み込めない物はその場で処分、そして引越し後、新しい物を購入するという形が結果的に一番安くなるのではないでしょうか。
値段や日時、自分でやらなければならない作業の量など、全てにおいて納得のいく形で引越しをすることが何よりも大切な事といえるでしょう。
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